第9回横溝健志写真展
『となりの形見』
アユミ・ギャラリー

2005年3月25日(金)〜30日(水) 11.00a.m.-7.00p.m.


■となりの形見 その二 横溝健志

 街なかで家屋が取り壊され、その跡地が駐車場に使われている光景を見かけるようになって久しい。賑やかな所はとも かく、大方は砂利を敷いただけの空き地で、風の溜まり場となっていたりするが、削ぎ落とされたような隣りの壁が晒さ れ、そこには寄り添うように建っていた家屋の屋根の勾配が影のように跡形となって残っていることがある。
 のっぴきならない事情があって手放した住まいが、あっけなく取り壊されて、その時は近所の噂にもなったが、もう二 階屋だったなどということも人の記憶には残っていないに違いない。しかし、何一つ残すものもなく、ただ影だけを形見 のように隣に置いていった建物が確かにそこにはあって、人の営みが続いていたはづである。
 しかし写真は、屋根の勾配の名残りをただ面白がるだけで、取り壊された家屋の元気だった頃の佇まいや、その下の暮らしぶりを想い描いたりはできないでいる。

 このような想いはともかく、第2回目の展覧会は海外の取材から10点を加えた。レンガや石作りの壁に残る形見は、そっと 置いていったという感じがなくて愛おしさを欠いている。
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